街灯が殆どない中を更に南進。
和歌山県新宮市。
この町で地域おこし協力隊として活動している友人の元へ遊びに行くのが目的だ。
橋を渡りトンネルを潜り、集落と思しき場所に。
ふう、漸く到着だ。
知らない道を、しかも田舎の道を走ると言う事は精神的に可成り疲れる、加えて夜道。
住宅に灯る明かりが心を安心させてくれる。と言う意味では電力会社も捨てた物ではないのか、オラオラ。
彼は、僕が広島から東京までヒッチハイクをしている時に拾ってくれたホスピタリティ溢れる好青年。
今回も快く家に招き入れてくれた。
まだ一度しか会っていないのにも関わらず、心通う仲間の存在は本当に有り難い。
更に外にはピラフ、犬。こいつは何とも逞しい。山へ行けばウリ坊子鹿を捕まえる。面構えが一丁前のハンターだ。うむむ、やるな。
こじんまりした彼の家には台所に素敵な竈。
家族の愛が満ち溢れた空間が心地良い。
土産に持って行った麦酒を皆で啜る。用意してくれた肴がまた美味い。
その土地々々に依って地域おこしの課題が違えば行政の対応の善し悪しも違う。面白い事だ。
情報共有の中で感じた事は、僕が住む北杜市は、まだまだ危機感の様な物を持っていないと言う事だ。
限界集落と言われている地域がある。今にも人が居なくなってしまう、と言う土地での地域おこしに期待される切実なる想い。一方で、都心からのアクセスも良く、オンシーズンには沢山の人々が訪れる北杜市。そんな中での地域おこし活動はある良い意味で限定的な部分もある。然りとて、5年後10年後を見据えた時に現状を維持出来るか、と言う疑問は到底払拭出来ない。危機的状況に陥る前に何か改善策を打ち出さないと地域は疲弊してしまう。まあ、ある意味ではそれが自然の摂理なのかも知れないので、そこへ無理に梃入れをする、と言った地域おこし活動が果たして必要なのか、と言うジレンマもない事はないが、とは言え出来るだけ地域にとって楽しい、そして喜ばれる”何か”を生み出せたら良いなあ、とも思う。
その為のアクションを現在仲間達と共に起こしている。出来る限りの努力を、楽しく。
僕が最も苦手とする昆虫の油虫、参る。
黒光りする、流線型のフォルム。猛スピードで走り出したかと思えば急停止。あの絶妙で俊敏な行動に僕は完全に狂喜乱舞。
そんな僕を尻目に、雄翼くんファミリーは何とも平常心。
素手で油虫を叩き落とし、携帯バーナーでファイヤー。
何とも、ワイルド。流石、熊野古道と言う雄大な自然の中で暮らすだけの事はある。
僕には到底辿り着けない領域。そう言った意味でも、熊野の自然は僕には強過ぎる。
良い夜だ。
続。
真吾
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